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遅寝遅起きはイライラの元!?

遅寝遅起きはイライラの元!?

春眠暁を覚えずと申しますが、春はポカポカ陽気でついつい眠りに誘われてしまいますね( *´艸`) 「眠る」という行為は人間にとってとても大切なことですが、日本では今、睡眠不足や遅寝遅起きの子どもが多くいることが社会的に問題視されています。実際にエコチル調査のデータを見ても、3歳の時点で22時以降に寝ているお子さんが約3割もいることがわかります。また、3歳時点で推奨される睡眠時間を十分にとれていないお子さんは7%もいるということがデータから示されています。

赤ちゃん・子どもの睡眠時間         赤ちゃん・子どもの就寝時刻
子どもの睡眠時間  子どもの就寝時間
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出典元:エコチル調査5周年記念シンポジウム(2016年1月16日開催)公表集計結果

 

一般的に、睡眠不足は子どもの成長発達を阻害したり学力低下を招いたりすると言われていますが、実は心の不調にも大きく関係してきます。睡眠不足はイライラ、不安、落ち着きのなさ、集中力の低下等を引き起こします。また、睡眠不足だけなく、遅寝遅起きも子どもの健康に悪影響を及ぼします。遅寝遅起きの場合、表面的には睡眠時間が確保されているようにみえるのですが、遅寝の子どもは眠りが浅くなるため疲れが取れません。その結果、朝から機嫌が悪く、ぐずることが多くなり、お母さんにとっても扱いづらく、お互いにストレスを感じてしまうことがあります。さらに、脳内の神経伝達物質のセロトニンは朝日を浴びることによって活性が高まると言われています。セロトニンは、精神を安定させる働きがあり、不安を軽減させ、心を穏やかな状態にしてくれます。そのため、早起きをして朝の光を浴びることは、心の健康にとってとても大切なことなのです。

セロトニンとは

では、遅寝遅起きだった睡眠習慣を「早寝早起き」に変えるにはどうしたらよいのでしょうか。一度身についてしまった生活習慣を変えるのは難しい…と思うかもしれませんが、小さな子どもであれば1、2週間もすればすぐに改善します。早寝から始めようとせず、早起きから始めると上手く行きやすいです。最初はなかなか起きられなくてぐずることもあるかもしれませんが、少しずつ慣れていきます。

小さなうちに身に付いた生活習慣はずっと続きます。大人になってから生活習慣を改善するのはとても難しいことです。大きくなったときに子どもが困ることのないように、今のうちに心と身体に良い生活習慣を身につけてあげたいですね。

 年齢別推奨睡眠時間(小サイズ)
コラム③なしチル

 

 

 

 

 

 

エコチル調査鳥取ユニットセンター臨床心理士/公認心理師 堀内咲希

 

参考文献等
神山潤(2011)「子どもの睡眠外来 キーワード6つと国際分類活用術」中山図書
National Sleep Foundation, https://www.sleepfoundation.org, 2019/4/5時点

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